「足が速くなる練習をしているのに、全然タイムが変わらない」
もしお子さんがそんな状態なら、練習の量が足りないのではない。
練習の「方向」が間違っている可能性が極めて高いです。
実はこれ、僕自身が経験したことでもあります。
高校3年間、県で一番真面目に陸上に取り組んだ自信がありました。
でも結果は県大会の予選落ち。
才能がないんだと本気で思いました。
ところが大学に入って、指導者もいない最悪の環境で「生命科学の知見」と「動画分析」を走りに応用したら、
たった半年で全国大会7位になれた。
つまり、3年間の努力が無駄だったわけじゃない。
努力の「方向」が間違っていただけだったんです。
この記事では、10年以上・数千人の子どもを指導してきた経験と生命科学の知識をもとに、小学生の足が本当に速くなる方法を解説します。
ネットに溢れる「腕を大きく振りましょう」「もも上げをしましょう」という情報の、何が正しくて何が的外れなのか。
根拠を示しながらお話しします。
「うちの子、足が遅いんです」
保護者の方からこの相談を受けたとき、僕がまずやることは走りの動画を撮ることです。
そして、おそらく12人中9人の指導者が最初に指摘するであろう「腕振り」は見ません。
なぜか。
腕振りがおかしい子のほとんどは、腕に問題があるのではなく「体軸」が崩れているからです。
具体的に言うと、頭が前に出ている。
人間の頭の重さは約6kg。
ボウリングの球と同じくらいの重さが前に傾いたら、肩が下がり、背中が丸まり、結果として腕がまともに振れなくなる。
腕振りの問題に見えて、実は頭の位置の問題だった、ということが本当に多い。
これが「足が遅い原因」の正体です。
表面に見えている症状と、根本原因がまったく違う。
保護者の方がよく心配されるポイントと、僕の診断がどれだけ違うかをまとめます。
保護者の心配 vs 本当の原因
気づきましたか。
ほぼすべて、根本は「体軸」と「力の使い方」に集約されます。
内川(実例エピソードをここに記入)
走りの映像を横から撮って、以下をチェックしてみてください。
タイプA「前のめり型」
走るときに頭が前に突き出ている。背中が丸まっている。地面を見ながら走っている。
→ 体軸の修正が最優先。
タイプB「べた足型」
足裏全体で地面を踏んでいる。つま先で地面を押す感覚がない。足音がバタバタとうるさい。
→ 接地の改善が最優先。
タイプC「力み型」
走っている間ずっと全力。顔が赤い。歯を食いしばっている。後半で急にスピードが落ちる。
→ 脱力の技術が最優先。
タイプD「バラバラ型」
腕と足のリズムが合っていない。体が左右にぶれる。走り方がぎこちない。
→ 全身の連動性の改善が最優先。
どのタイプかによって、やるべき練習がまったく変わります。
ここを間違えると、いくら練習しても速くなりません。
あなたうちの子がどのタイプか判断がつかないんですが…
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ここからが本題です。
小学生の走りを科学的に速くするための、3つの原則を解説します。
50m走を科学的に定義すると、
「自分の体重と同じ重さの物体を、50m先まで最も効率よく運ぶゲーム」です。
このとき重要なのは、体の5つのポイントが一直線に並んでいること。
この5点が一直線なら、地面から受ける反発力を全身でロスなく受け止められます。
ここが曲がっていると、定規を曲げたら折れるのと同じで、力が逃げる。
子どもに伝えるときは「背中に長い定規が入ってると思って走ってみて」と言うと、イメージしやすいです。
「もも上げ」は日本の体育教育で最も広まっている練習法ですが、
走りを速くする練習としては非常に効率が悪い。
走りのメカニズムはシンプルです。
走りのメカニズム
つまり、ももは「上げる」ものではなく「上がる」もの。
地面をしっかり押せていれば、ももは勝手に上がります。
もも上げ練習に時間を使うくらいなら、「地面を押す」感覚を身につける練習のほうが100倍効率がいい。
これは膝かっくんと同じ原理です。膝をかっくんされると勝手に体が沈む。あれと同じで、地面に力を加えれば反発が返ってくる。
多くの保護者の方が驚くのがこれです。
「速く走りたいなら、もっと力を抜け」
矛盾しているように聞こえる。
でも事実として、50m走で後半失速する子のほとんどは、力みすぎが原因です。
人間の筋肉は全力で収縮し続けると、約6秒で急速にパフォーマンスが低下します。
小学生の50mは約8〜10秒。
つまり後半の2〜4秒間は、意識的に力を抜く技術がないと、必ず失速する。
小学生にこの技術を教えるとき、僕は「接地の瞬間だけ『パン!』と地面を押して、空中にいる間はリラックス」と伝えます。
ずっと力を入れっぱなしにするのではなく、ON/OFFを切り替える感覚です。
原則が分かったところで、自宅で今日からできる練習メニューを紹介します。
壁押しドリル
ポイント:頭が下を向いたり、お尻が引けたりしたらNG。「体全体で壁を押している」状態が正解。
膝抜きスタート
ポイント:「よーいドン」で筋力で蹴り出すのではなく、重力に身を任せてから走り出す。これだけでスタートの反応速度が劇的に変わります。
片足バランス
ポイント:ぐらぐらする場合は体軸が弱い証拠。走っているとき、片足が地面に接地している時間は0.1秒程度。その一瞬で体を安定させる力が必要です。
スキップドリル
ポイント:スキップがうまくできない子は、走りの全身連動にも問題を抱えていることが多い。スキップは走りの要素を低速で練習できる優秀なドリルです。
10秒リラックスダッシュ
ポイント:肩に力が入っている子が非常に多い。肩を一度ぐっと上げて、ストンと落とす動作を走る前にやると、脱力の感覚がつかみやすくなります。
ここまで読んで、「知らなかった」と感じたことが1つでもあったなら、それが答えです。
足が速くなる方法は、ネットで検索すればいくらでも出てきます。
でも、その情報が科学的に正しいかどうかを判断するのは、専門知識がないと不可能に近い。
僕自身、高校時代は「もも上げ」「腕振り」「筋トレ」をひたすらやっていました。
でもそれは、走りが遅い「根本原因」に対するアプローチではなかった。
体軸が曲がったまま腕振りの練習をしても、体軸が曲がったまま速く腕を振る人になるだけです。
生命科学を学んでから初めて理解しました。
「なぜ遅いのか」の原因を正確に特定できなければ、どんな練習も効果が薄い。
逆に、原因を正確に特定できれば、たった1回のレッスンで走りが激変することもある。
実際に、たった3回のレッスンで5年間一度も徒競走で1位を取れなかった子が1位になった事例があります。
サッカー少年がアイリスオーヤマカップ全国大会で優勝した事例もある。
ラグビーの全国大会決勝でトライを決めてMVPを獲得した子もいる。
内川(実例エピソードをここに記入)
これは全部、走り方を科学的に改善した結果です。
走りは全てのスポーツの土台だから、走りが変わると競技パフォーマンス全体が変わる。
お子さんの走りを横からスマホで撮影してください。
体軸がまっすぐかどうか、それだけを見る。
5つの練習メニューのうち、お子さんのタイプに合ったものを1つだけ選んで、毎日5分やってみてください。
「自分の子がどのタイプか分からない」「動画を見ても正しいかどうか判断できない」
そう感じたら、プロに見てもらうのが最も確実で最も早い方法です。
陸上アカデミアでは、コーチ1人に対して生徒最大4人の極少人数制で、毎回動画を撮影して即日フィードバックを返しています。
指導するコーチは全員が全国大会出場レベル以上。
「なぜその練習をするのか」を生命科学の根拠をもとに必ず説明します。
「足が速くなりたい」という気持ちを、正しい方向に導けるかどうか。
それだけの違いで、結果は大きく変わります。
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